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中村光一のプログラム哲学

ドラクエのプログラムを担当した中村光一へのインタビューでの言葉。

Q.プログラマーには綺麗なプログラムを書くことがすべてという美学を持っている人がいます。中村さんはどんなプログラマーですか?

A.私は逆ですね。文法や作法が間違っていても、結果としてちゃんと動いていたら、ゲームができたら、ゲームが面白かったら、それでOK。私がコンピュータ好きなところはそこです。プログラムが間違っていたら、絶対に動かない。けれども、結果的に合ってさえいれば、バカ正直なくらい動く。コンピュータのそういう哲学的なところがいいんです。私のプログラムは本当に自己流だし、きたないプログラムと人に言われたこともあります。でも、与えられたメモリの条件下で動けばいいんです。結果さえ正しければ、すべてが許される。そんなコンピュータの懐の広さこそが魅力なんです。

参考文献:ファミリーコンピュータ 1983-1994